第13回コンビニはボーダーレス 「神対応」経営者がコロナ禍で得た確信とは

有料記事ボーダー2.0

聞き手・佐藤亜季
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 社会に存在するさまざまな「境界」の今を探り、問題解決には何が必要か、望ましい境界の未来を模索する連載企画「ボーダー2.0」。北海道胆振(いぶり)東部地震でブラックアウト(全域停電)の中、コンビニ「セイコーマート」のほとんどの店舗を営業した「神対応」で知られる「セコマ」(札幌市)の丸谷智保会長(67)に、ボーダーレスな事業展開のあり方や、2030年の札幌冬季五輪パラリンピック招致などについて聞いた。

 ――経営者として「境界」と聞くと何を感じますか。

 「我々は、『あそこは過疎地だから出店しない』といって自らボーダーを引くことはしません。『すべての人がお客さま』という当たり前のことを大切にしている」

 「たとえば、『ザラメ(砂糖)』は一般的に茶色っぽい。ところが、ある地域では黄ザラ(黄色いザラメ)が必要とされる。なぜなら、野菜が乏しいから、常備食としてつくる『たくあん』の黄色い色を出すために黄ザラが求められている。だから店に黄ザラを置く。すると必ず買いに来てくれる」

 「数百円のものも積み上がれば大きな利益を生む。我々の事業の本質は、地域とともにあるということです。過疎地に店が一軒もなくなって、うちに頼むしかないからと請われて出て行くのは、これほど小売り冥利(みょうり)につきることはない」

 ――札幌市は30年冬季五輪・パラリンピック招致をめざしています。一方、1972年札幌冬季五輪は多くの市民の記憶に残っています。二つの五輪に違いを感じていますか。

 「50年前の大会と違い、2…

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