核保有5カ国、核戦争の回避「一番の責務」 共同声明を発表

ワシントン=高野遼
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 核兵器を保有する米英仏中ロの5カ国が3日、核保有国同士の戦争を回避することを「一番の責務だ」とする共同声明を発表した。核不拡散条約(NPT)の再検討会議が新型コロナウイルスの影響で延期されるなか、主要な核保有国がそろって核不拡散や軍縮の重要性を訴えた。

 声明は「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」と強調。核兵器が存在するとしても、防衛や侵略・戦争の抑止を目的としたものであるべきだとした。

 また、共同声明は「核兵器のさらなる拡散を防がなければならないと強く信じている」と言及。核軍拡競争の停止や軍縮に向けて交渉を進めることを求めたNPTに基づいて、引き続き責任を果たしていくとした。

 そのうえで、安全保障を損なわずに核兵器のない世界という「究極の目標」を実現するために、すべての国と協力する意向があると強調した。

 核軍縮や不拡散などをめぐっては、NPT再検討会議が5年に1度開かれている。だが新型コロナの影響で2020年4~5月の予定が4度にわたり延期され、今月の開催も直前になって延期が決まっている。

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この記事を書いた人
高野遼
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国際ニュース
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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年1月4日9時10分 投稿
    【解説】

    5カ国声明にある「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」という言葉は、1985年にジュネーブで行われた米ソ首脳会談の共同声明に盛り込まれたことで知られています。当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連書記長が確認したこの共通認識は

    …続きを読む