再エネ導入へ動いたトヨタ系下請け 脱炭素で競争力は高まる?

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三浦惇平
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 自動車産業を支える中小企業で、太陽光や風力といった再生可能エネルギー由来の電力を使う動きが出てきた。再エネ電力は、二酸化炭素(CO2)を出さない工場を実現するための切り札だ。先駆けて使うことで、存在感を高めるねらいがありそうだ。「脱炭素」で競争力を高められるのか――。

 青色の作業服姿の女性たちが、細長いプラスチック部品に、両面テープを手作業で貼り付けていく。この部品は、自動車の窓枠に取りつける「ウィンドシールドモール」。窓ガラスと車体フレームの隙間に取りつけ、走行中の風切り音を防ぐ。

 プラスチック部品を加工する「エーピーシィ」(愛知県安城市)は、大手メーカーがつくる部品の工程の一部を担う。引き受けるのは、「高度な技術は必要ないが、手間がかかる」工程だ。トヨタ自動車などの完成車メーカーからみると、「2次下請け」にあたる。従業員は60人ほどの町工場だ。

 この会社が昨秋、工場で使う電力を、実質的に再エネ100%とする「CO2フリー電力」に切り替えることを決めた。今年4月から、導入する。

 これにより、工場から出るCO2の量は、2021年度比で約75%減らせる見通しだという。安藤寛高社長(36)は「脱炭素分野で中小企業のモデルとなる取り組みを進める」と息を巻く。

トヨタも目標前倒し

 世界で「脱炭素」への動きが加速するなか、ものづくりの現場でも、CO2を減らす取り組みが進む。

先行的に再エネに切り替える企業がある一方、導入には課題も多いです。中小企業は現段階で、どんな準備をしておくべきなのでしょうか。

 最大手トヨタも、自社工場か…

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