統計不正発覚の国交省「年末年始も休みなどない」 きょう仕事納め

山本孝興 長谷川潤 釆沢嘉高
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 「建設工事受注動態統計」で提出が遅れた業者の調査票の書き換えなどの不正が明らかになった国土交通省。23日に元検事や統計学の専門家ら第三者による検証委員会が設置され、仕事納めの28日、関連部局では職員が淡々と通常業務に当たっていた。

 第三者委は来年1月中旬までに報告書をまとめ、総務省の統計委員会に提出する方針だ。国交省幹部は「明らかに期間が短い。仕事納めと言っても、年末年始も休みなどない」とこぼす。過去に統計の調査に関わったという職員は「指示通り『こういうものだ』とやるのが我々。疑問もなく、あいまいな記憶だけを頼りにした聞き取り調査では、実態解明は難しいと思う」と話した。(山本孝興)

「来年も復旧、復興に向けた取り組みが続く」土石流災害起きた熱海市

 7月に大規模な土石流災害が起きた静岡県熱海市では仕事納めの28日、斉藤栄市長が市内の支所などを巡回し、職員をねぎらった。年明けの1月3日には発生から半年になる。

 午前9時前に市役所を出発した斉藤市長は、まず土石流の被災地に近い泉支所を訪問。「今年は土石流にコロナと大変な年でしたね」と職員をねぎらい、「来年も復旧、復興に向けた取り組みが続きます。これまで以上に、一人ひとりに丁寧に向き合って下さい」と激励した。

 土石流では26人が犠牲になり、今も1人の行方がわかっていない。行政側も「被害を大きくしたとされる盛り土の危険性を把握しながら放置したのではないか」との指摘を受け、市は職員への聞き取り調査を進めている。(長谷川潤)

都副知事ら、街頭で感染防止対策を呼びかけへ

 新型コロナ対応に明け暮れる1年だった東京都。今月24日には新たな変異株オミクロン株の市中感染が初めて確認され、第6波への警戒下での仕事納めとなった。

 小池百合子知事が埼玉、神奈川、千葉県の各知事とともに政府に緊急事態宣言発出の検討を求めたのは1月2日。飲食店への営業時間の短縮要請は10月下旬まで続いた。夏の第5波では8月13日に1日の感染者が5900人を超え、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する中での東京五輪パラリンピック開催となった。

 秋に感染状況は落ち着いた。都福祉保健局幹部は「ワクチンの効果が出てほしいと思っていた。年末年始も何かあったらすぐ動ける態勢で緊張感をもって対策にあたる」と話す。28日夕は副知事ら約20人で東京・新橋の街頭に立ち、基本的な感染防止対策を呼びかける予定だ。手洗いやマスク着用を促す広報トラックも走らせ、ベートーベンの名曲をもとに都が制作した替え歌「換気の歌」を流すことにしている。(釆沢嘉高)

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