阿佐鉄DMV、第1便「出発進行」 営業運行開始に地元沸く
斉藤智子
【動画】DMVが世界初の本格営業運行開始=福家司、白井伸洋撮影
【高知】阿佐(あさ)海岸鉄道(本社・徳島県海陽町)の線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)は25日午後0時36分、第1便が始発バス停の「阿波海南文化村」(海陽町)を出発して、本格的な営業運行が始まった。徳島県南部と高知県東部を結び、観光の起爆剤になると期待されている。
第1便の出発前には、町の総合文化施設「阿波海南文化村」の駐車場に、青、緑、赤色の3台のDMV車両が勢ぞろい。松延宏幸・高知県東洋町長、竹崎和伸・高知県奈半利町長らが参加してテープカットがあり、くす玉が割られた。阿佐鉄社長の三浦茂貴・海陽町長が「出発進行」と合図。関係者や住民、予約した乗客、鉄道ファンら約800人が手拍子でカウントダウンし、青い車体の初便の出発を見守った。
見送った徳島県の飯泉嘉門知事は「南海トラフ巨大地震の時、線路と道路のどちらかを整備すればすぐに復旧できる」と災害時の足としての期待も語った。
文化村のホールでは地元・海陽町の子どもたちが、DMVの応援ソングに合わせたダンスや、鉄道とバスの「モードチェンジ」のBGMになった郷土芸能「海南太鼓」を披露した。
初便に乗った兵庫県西宮市の会社員水野秀明さん(59)は「レールの継ぎ目を通る感覚は、ここでしか味わえない。モードチェンジの瞬間を味わえて、地元の方の温かい出迎えに感動した」と話した。
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高知県東洋町でもこの日、「海の駅東洋町」横の時計台前で町主催のDMV運行開始セレモニーを開催。お酒の代わりに町特産のポンカンのジュースを入れたたるを鏡開きして祝った…