「ネットにさらす…」公務員へのカスハラ、識者が読み解く背景と対策

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江戸川夏樹

 顧客からの理不尽なクレームを指す「カスタマーハラスメント」。民間だけでなく、公務員へのカスハラも後を絶たない。国家公務員の労組による調査でも「カスハラを受けたことがある」との回答は6割に。公務員ならではの被害の背景を探った。

 平日昼間の神奈川県内のハローワーク。窓口にはひっきりなしに、求職者がやってくる。

 窓口業務に当たる職員は、厚労省に勤める国家公務員だ。男性が、窓口の女性職員に悪態をついていた。

 「税金で暮らしてんだろ。もっといいところを紹介しろよ」

 女性職員は申し訳なさそうに、うつむいた。

 男性に話を聞いた。30代。半年前に鉄工所の仕事を失い、求職中といい、ハローワークで紹介された仕事の面接に3回落ちたと取材に説明した。

 アパートの家賃の支払いに苦…

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2021年12月24日17時21分 投稿
    【視点】

    今週、ある市役所の管理職研修で、働き方改革と業務効率化をテーマに話をした。 講義の冒頭、自分が若い頃と比べて働き方は良くなったか?と尋ねたところ、ほとんどの人が、大変になったと答えた。 民間では、働き方改革が進む一方、霞が関のみ

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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2025年4月18日16時56分 投稿
    【視点】

    公務員へのカスハラ対策はより進めるべきだと思います。 行政への住民による要望や批判、意見はとても重要ですが、その声がきちんと聞かれる状況にするためにも、整備が必要です。 AIやデジタル技術を活用し、より行政窓口の効率化を進めることができる

    …続きを読む