カインズ、東急ハンズを買収 「DIY文化を根付かせる」

松本真弥 田幸香純
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 ホームセンター大手のカインズ(埼玉県本庄市)は22日、雑貨店の東急ハンズ(東京)を買収すると発表した。来年3月31日付で完全子会社化する。両社は日曜大工や園芸といったDIY向け商品に強みを持つ。郊外型が多いカインズと都市型のハンズが連携することで、相互に機能を補いながら経営基盤の強化をはかる。

 ハンズの親会社である東急不動産ホールディングス(HD)が持つ全株式を取得する。取得額は非公表とした。店舗名の「東急ハンズ」は当面維持するが、東急グループから離れることを理由に将来的に変える。

 子会社化により、カインズが持つ物流網や資材調達機能、ITシステム、独自商品の開発力を活用してハンズの収益力を高める。さらにDIY向け商品を相互に活用し、情報発信も連携することで、顧客層の拡大にもつなげる。カインズの高家正行社長は会見で「日本に新しいDIY文化を根付かせて世界に発信していきたい」と話した。

 東急ハンズは1976年創業で、国内外に86店舗を展開。近年はネット通販の拡大による競争激化に加え、新型コロナ禍の外出自粛で苦戦しており、池袋店(東京)など主要店舗を閉店してきた。東急不動産HDはグループ内の再構築を進める過程でハンズ売却を決めたという。

 カインズは1989年設立で全国227店舗を展開する。創業以来、拡大傾向は続き、21年2月期決算は売上高が前年比10%増の4854億円だった。(松本真弥、田幸香純

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    田幸香純
    (朝日新聞記者=働き方、企業、消費)
    2021年12月23日14時18分 投稿
    【視点】

    ホームセンター業界も、コンビニなどと同様に各社の出店状況から市場が飽和状態にあると指摘されてきました。その中でも、2020年は新型コロナウイルス感染拡大で、消毒や衛生商品のまとめ買いの他、巣ごもり需要でDIY商品やベランダ菜園用の用具、苗が

    …続きを読む