どうなる囲碁界の天下のゆくえ 井山の再統一か、さらなる流動化か
大出公二
今年の囲碁七大タイトル戦を締めくくる師走の天元戦、王座戦が相次いで決着した。関航太郎が天元奪取でプロ入り最速のタイトルホルダーとなり、井山裕太は王座奪還で五冠に復帰した。その影でポスト井山を争う一力遼、芝野虎丸は無冠に。囲碁界は流動化が加速しているのか、はたまた井山の天下再統一に向かっているのか。
両タイトル戦とも11月までに決着がつかず、天元戦は12月6日、淡路島で第4局が打たれた。ここまで挑戦者の関が2勝1敗とリード。タイトル奪取まであと1勝に迫っていた。
黒番の関が度胸よく大模様を張り、一力は模様が地と化す直前のタイミングで単騎突入。根こそぎ荒らしにいった一力の白石を、関は殺しにいく。白は黒模様の一角を分断し、取るか取られるか、難解な大攻め合いの様相となった。
一力の106手目。一手もゆ…