2千兆円目前、個人マネー急増 60代以上が6割、氷河期世代と格差
徳島慎也 稲垣千駿 中川透
個人の預貯金や株式などの金融資産が急増し、2千兆円に迫った。アベノミクスによる大規模な金融緩和による株高や、コロナ禍を受けた政府の給付金などで膨らみ続ける個人マネー。その実情は、少子高齢化や格差拡大など、いまの日本の課題も映し出す。
約2千兆円もの金融資産は、だれが持っているのか。資金循環統計は家計全体での数字しかわからないが、ほかの統計などをもとにした大和総研の推計によると、全体の約63%を60代以上が持つ(19年時点)。30年には約65%まで高まる見込み。資産が高齢層に偏り、子育てなどにお金が必要な世代に資産がなかなか移らないことが課題で、現実には高齢者から高齢者へ「老老相続」が進んでいる。
「持てる人」と「持てない人…