出火後、逃げずに火に向かった容疑者 ポケットには催涙スプレーも

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 大阪市北区の雑居ビル内のクリニックで17日、24人が死亡した放火殺人事件で、事件後にクリニック内でライターが見つかったことが捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は、侵入した男がガソリンのような可燃性の高い液体をまき、ライターで火をつけたとみて調べている。

 府警は19日、男を住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)と特定したと発表した。殺人と現住建造物等放火の疑いで調べている。谷本容疑者は重度の一酸化炭素(CO)中毒などで重篤という。

 火災は雑居ビル4階で発生。火元はクリニック入り口の受付近くとみられているが、捜査関係者によると、事件後に燃え残ったライターが出火元近くで見つかった。府警は谷本容疑者のものとみている。容疑者は搬送された際に着火器具を身につけておらず、ポケットには催涙スプレー2本が入っていた。

 捜査1課は18日、クリニック内の防犯カメラの映像を調べ、谷本容疑者とみられる男が両手に紙袋を持って来院した姿を確認。男が受け付けをした後に紙袋を床に置いて蹴飛ばし、漏れ出した液体に向かってしゃがみ込み、手を動かす様子が映っていた。直後に出火したという。府警はこの際にライターを使って火をつけたとみている。

 男は出火後、逃げるようなそぶりはなく、火に向かっていくような動きを見せていた。液体のそばには暖房器具があったが、出火元には向いておらず、関係が薄いと判明した。

家から容疑者が書いたとみられるメモ見つかる

 府警によると、ビル火災の3…

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