繰り返される国の統計不正「うみを出す仕組み作られたのにショック」
岡戸佑樹 柴田秀並 伊藤嘉孝
国土交通省が基幹統計の集計データを書き換えていたことが明らかになった。3年前には、厚生労働省が所管する毎月勤労統計をめぐる問題が発覚し、一斉点検が行われたが、その際も書き換え行為は報告されず、以降も続けられていた。
2018年末に発覚した毎月勤労統計をめぐる問題では、従業員500人以上の大規模事業所を全て調べるルールにもかかわらず、東京都では、3分の1を抽出する調査が行われていた。ひそかに不正なデータを本来の調査に近づける補正も行われており、国会でも議論となった。この統計をもとに給付水準が決まる雇用保険などで、給付額が少なくなっていた人はのべ2015万人に上った。
そうした問題を受け、全ての基幹統計の一斉点検が行われたにもかかわらず、国交省はなぜ書き換えを続けていたのか。
同省建設経済統計調査室は1…