オミクロン株、いま分かっていること 重症度やワクチン効果を解説

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オミクロン株、いま分かっていること

 世界で感染を広げている新型コロナウイルスのオミクロン株。感染力はどのくらい強いのか、かかっても重症になりにくいというのは本当か。3回目のワクチン接種の効果はどれほどか――。現時点でわかっていること、わかっていないことをQ&A形式でまとめました。新たな情報が明らかになるのに合わせて随時、更新していきます。

低い重症化率、どう考えたらいい?

 Q オミクロン株に感染すると、どれくらいの症状が出るの? 軽症の人が多いという話をよく聞くけど?

 A 確かに、オミクロン株によって引き起こされる感染者の症状の重さ、つまりオミクロン株の「病原性」は、デルタ株よりも低いという見方が強まっている。ただ、感染力の高さなどを踏まえると、楽観はできない。

 また最近の研究では、デルタ株に比べた病原性の低さはさほど大きくはない可能性も示されている。

 オミクロン株による症状の多くは、それ以前のウイルスと共通しているが、英健康安全保障庁は2022年1月14日、「オミクロン株では、のどの痛みを訴えた人の割合が53%で、デルタ株の34%よりも多い一方、においや味覚への障害はオミクロン株では13%で、デルタ株の34%に比べて少ない」と発表した。

 もっとも、のどの痛みがオミクロン株に特徴的な症状とまでいえるかどうかは、現段階ではデータ不足ではっきりしないという。

 オミクロン株では、重症化したり、入院が必要になったりした割合が以前より低めだとする報告は数多い。

 米国・南カリフォルニアの医療データをもとに、21年11月末から22年1月1日の約7万人の患者を分析した研究では、オミクロン株に感染し入院した人の割合は0.5%と、デルタ株の1.3%に比べて低かった。

 英健康安全保障庁は21年12月23日付の報告書で、オミクロン株によって入院するリスクはデルタ株よりも約60%低いとしている。

 香港の研究チームが、人の気管支の組織で調べたところ、オミクロン株はデルタ株に比べてウイルスの複製がはるかに速く進んだ一方、肺の組織では大幅に遅かったという。軽い症状の人が多い理由の一つではないかとされている。

 動物実験でも、日本からの発表を含めて、オミクロン株はデルタ株よりも病原性が低そうだとする研究結果が複数出ている。

 しかし、入院率が低いなどとしたこれまでの報告は、多くの人がすでにワクチンを規定通り2回うっていたり、1度新型コロナにかかって再感染したりしている地域での研究が多い。

 これらの地域の人たちは、体に備わった免疫機能によって、コロナの重症化が避けられているのかもしれない。

 南アフリカ・ケープタウン大や西ケープ州政府などの研究チームは1月12日、当地で主にオミクロン株によって重症化して入院したり、死亡したりするリスクについて、それ以前の感染拡大時と比べた分析結果を、専門家の審査を受けていない「査読前論文」として公表した。

 この研究では、年齢、糖尿病高血圧、慢性腎臓病といった基礎疾患だけでなく、ワクチン接種歴や過去の感染歴も分析に加えて、患者の免疫機能の状態が結果に影響しないようにした。ウイルスそのものの病原性を見極められるようにするのが目的だ。

 すると、オミクロン株によって重症化して入院したり死亡したりするリスクの減り具合は、デルタ株に比べて25%程度であることがわかったという。

デルタ株とのリスクの差「小さい」との見方も

 この研究結果などを受けて…

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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2022年1月13日18時27分 投稿
    【視点】

    オミクロン株は感染力が強くて、毒性が弱い。 重症者数、死亡者数の少ないまま広まれば、比較的に楽な形でほぼ全人口が感染して、免疫がつく!  この夢のようなシナリオが可能であれば、オミクロン株がコロナの終息をもたらす「救世株」となりうる。アメ

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