フクシマを核時代の終わりの始まりに チェルノブイリ救援関西30年

核といのちを考える

編集委員・副島英樹
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 旧ソ連チェルノブイリ原発事故の被災者支援に取り組んできた「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」(山科和子代表)の「発足30年の集い」が12日、大阪市内で開かれ、約60人が参加した。核被害者の人権と補償の確立を求めてきた30年の活動を振り返り、核被害をこれ以上繰り返させないよう、新たな一歩を踏み出すことを誓い合った。

 「救援関西」は1991年11月に内科医の振津(ふりつ)かつみさん(62)らが設立。チェルノブイリ被災者が「私たちもヒバクシャです」と語るのを聞き、団体名に採り入れた。原爆被爆者の運動を原点に、核実験や原発事故の被害者を「ヒバクシャ」と捉え、「ヒロシマ・ナガサキ、チェルノブイリ、フクシマを結んで」を合言葉に取り組んできた。

 集会では、福島県新地町の漁師、小野春雄さんがビデオメッセージで、「海は仕事場。汚染水は流すな」と、東京電力福島第一原発事故の処理水海洋放出に反対する声を届けた。

 ベラルーシからは「移住者の会」代表のジャンナ・フィロメンコさんが連帯のメッセージを寄せた。原爆投下後に我が子の亡きがらを見つけられなかった母親の詩が忘れられないとし、「軍事の核であれ、『平和』利用の核であれ、どの家族にも痛みをもたらすことは許されない」と訴えた。

 振津さんは「若い世代に活動を引き継ぎつつ、フクシマを核時代の終わりの始まりにしたい」と述べた。(編集委員・副島英樹)

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