「知の闘技場」覆う静寂 国際教養大の中嶋記念図書館

井上怜
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 国際教養大の図書館で、年末の試験を控えた学生たちが黙々と学びに向き合っている。図書館は木々に囲まれた秋田市雄和椿川のキャンパスの一角にたたずみ、師走の慌ただしさがうそのようだ。

 静寂の中、せき払いやこつこつと靴の音だけが時折聞こえる。コンセプトとなったのは古代ローマのコロセウム。吹き抜けの天井に秋田杉の柱が和傘の骨組みのように広がる。半円形の階段状に本棚が並ぶ壮観は、さながら「知の闘技場」だ。

 開放的な空間の一方で、周囲の視線を遮るように本棚の裏側に机があり、あちこちに学生の姿が見られる。洋書を中心に蔵書は約8万冊。中嶋記念図書館の名称は、初代学長の中嶋嶺雄氏にちなむ。学生に24時間365日開放されているのは、「いつでも勉強できる場を提供したい」という中嶋氏のこだわりによる。

 今はコロナ下で一般利用はできない。ある学生は「より落ち着く空間になりました」。年末年始も深夜まで勉強に没頭する学生がいるという。

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