日本初の鉄道建設 大隈重信の奮闘 特別展

長沢幹城
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 大隈重信没後100年、鉄道開業150年を記念し、特別展「陸(おか)蒸気を海に通せ!」が佐賀市佐賀城本丸歴史館で開幕した。「鉄道の時代が来る」と大事業を成し遂げた大隈重信(1838~1922年)の奮闘を重要文化財などの資料で紹介している。

 特別展には、大隈を鉄道事業の最高責任者に任命した「条約取結全権委任状」をはじめ、鉄道事業に反対だった西郷隆盛が「鉄道事業について全てを廃止し軍備を充実させるべきだ」と訴えた「西郷吉之助見込書」(国重要文化財)の写しや、江戸時代に佐賀藩の精煉(せいれん)方が製作した蒸気機関車の模型「蒸気車雛(ひな)形」など約60点を展示。

 また今年9月、日本最古の鉄道遺構として国史跡に指定された「高輪築堤(ちくてい)」(東京都港区)も映像と資料で紹介している。

 同館によれば、西郷ら鉄道建設の反対派が用地の測量をさせないなど用地買収に抵抗。大隈が決断したのが海上に堤防を築いて路線を通す「高輪築堤」だったという。その路線が高輪海岸の海上を通ったことが分かる地図「新橋横浜間鉄道之図」も展示されている。

 1872年、新橋―横浜間の鉄道開業式で運転された「お召し列車」の同じ車両に、大隈と西郷が乗り合わせたことが分かる資料「列立次第」も興味深い。

 来年1月23日まで。12月29日~1月1日は休館。午前9時半~午後6時。観覧は無料。土日祝日は、先着50人に日本最初の切符の復刻版が配られる。

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