愛知銀と中京銀、22年にも経営統合へ 数年後には合併も視野

内藤尚志
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 愛知県を地盤とする地方銀行愛知銀行中京銀行経営統合する方向で調整していることが2日、分かった。2022年にも持ち株会社をつくる方針で、数年後の合併も視野に入れている。統合が実現すれば、資産は6兆円を超える見込み。超低金利が続いて地銀の経営環境が厳しくなるなか、規模を拡大して生き残りをめざす。

 取材に対して愛知銀は、「経営統合について検討しているのは事実」、中京銀は「答えられることはない」とコメントしている。

 愛知県内の地銀3行のうち、預金残高などの規模で愛知銀は2番手、中京銀は3番手に位置する。隣県にも有力地銀があり、愛知県内で攻勢を強めている。規模が劣る愛知銀と中京銀がどう対抗するかが課題になっていた。

 とくに中京銀は業績が厳しく、希望退職を今夏に実施。従業員の約1割にあたる150人が応じていた。岐阜、三重も含めた東海3県を地盤とする地銀7行の2021年9月中間決算では、中京銀だけ純利益が前年同期より減った。

 中京銀には、三菱UFJ銀行が約4割を出資して筆頭株主になっている。関係者によると、出資の効果が不透明だとの指摘もあり、統合を機に中京銀株を手放すことも検討しているという。

 一方、愛知銀も先行きは楽観できない。競争の激化などから、7行で唯一、中間決算時に22年3月期通期の業績予想を上方修正しなかった。

 愛知銀は住宅ローンを中心に貸し出しに力を入れている。中京銀は投資信託の販売手数料や企業の経営に対する助言業務など、貸し出し以外で稼ぐ事業モデルを強化する。両行の得意分野が異なることも、統合を後押ししたとみられる。内藤尚志

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