地震で倒れた「幻の城」、秀吉の指月伏見城 推定より北で石垣跡発見
小松万希子
豊臣秀吉が築いて間もなく地震で倒壊したことから、「幻の城」とも呼ばれる指月(しげつ)伏見城の石垣跡が、京都市伏見区のJR桃山駅前での発掘調査で見つかった。市埋蔵文化財研究所が発表した。従来の推定地よりも北にあり、謎の多い城があった場所を考える上で貴重な史料だという。
指月伏見城(指月城)は、秀吉がおいの秀次に城郭兼邸宅「聚楽第(じゅらくだい)」を譲った後、隠居用の屋敷として1592年に築き始め、94年に城郭として改修し、96年までに完成。だが、同年の慶長伏見地震で倒壊した。
城は近くの木幡(こはた)山(今の桃山)に場所を移して再建。指月城と区別して木幡山伏見城(木幡山城)と呼ばれる。秀吉の死後は関ケ原の戦いの前哨戦で木幡山城も焼失し、徳川家康が再整備。その城も幕府による一国一城令を受けて、1623年に廃城となった。
指月城は構造や場所を示す文…