【21年九州場所13日目】 今世紀初めての「取組」が実現する

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加藤秀彬
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 返り入幕の阿炎が大関貴景勝との1敗対決を制した。横綱照ノ富士はただ一人全勝を守り、14日目に組まれた阿炎戦で勝てば、2場所連続6度目の優勝が決まる。宇良は10勝に到達。大関正代や隆の勝が9勝目。関脇明生、小結逸ノ城らが負け越した。

注目の取組・力士を特集する「東西トーザイ」、八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)突き進む阿炎 大関は破った なぎ倒すのか横綱も

 幕内の力士は41人。番付で下から5人目の平幕阿炎と、大関貴景勝による一番が実現した。阿炎がここまで1敗と優勝争いに生き残り、大関への挑戦権を手にした。

 その一番、立ち合い。

 頭からぶつかってくる貴景勝を、長い腕で押さえつけた。さらにのどわで押し込むと、たまらず貴景勝が左でいなす。が、ここで崩れないのが今場所の阿炎だ。土俵際で踏ん張り、もろ手突きで押し出した。

 高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「いつもは阿炎がひくが、今場所はどんどん前に出て行こうとしている。阿炎は今までと変わった」と分析する。今場所は12勝のうち9勝の決まり手が「押し」か「突き」。攻めの姿勢を貫いている。

 14日目も、番付通りなら組まれない異例の大一番が控える。結びで、横綱照ノ富士との取組が決まった。

 再入幕の力士が本割で横綱と対戦するのは、2000年九州場所琴光喜以来だ。大関正代が4敗と優勝争いから脱落し、代わりに阿炎が抜擢(ばってき)された。

 奔放な言動で3場所の出場停止処分から復帰後、7場所ぶりの幕内でここまではい上がった。周囲の期待と裏腹に、本人は冷静を保つ。

 「(優勝は)一切気にしていない。相撲に向き合うと決めたので。向き合わないと、次のステップに進めない」

 負ければ、横綱の優勝が決まる決戦。照ノ富士とは初顔合わせとなる。加藤秀彬

(支度部屋から)出場停止明けの三役経験者は言った 「相撲を取れる喜びが…」  天空海、英乃海、若元春、一山本らの声も届けます

○幕下・竜電 協会の新型コロナガイドライン違反による3場所出場停止から復帰し、幕下優勝。「相撲を取らせていただけるだけでありがたいです。相撲を取れる喜びがこみ上げてきました」

 「協会のルールを破ってしま…

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