サイバー攻撃受けた徳島・半田病院、「犯人」側と交渉しない方針

斉藤智子
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 徳島県つるぎ町立半田病院の電子カルテシステムがランサムウェア(身代金ウイルス)に感染した問題で、病院は26日に会見を開き、新たな電子カルテシステムを構築して来年1月4日の通常診療再開を目指すと発表した。「犯人」側とは交渉しない方針だという。

 病院がサイバー攻撃を受けたのは10月31日。電子カルテにアクセスできなくなったため、再診や透析などの患者のみ受け入れ、新規や救急は中止していた。

 地域の要望が高いことから、今月中旬からは小児科の新規患者と新規の妊婦の受け入れを再開。来月から内視鏡検査を始めるなど、可能な診療や検査から受け入れる。現在は患者からの聞き取りで紙カルテを作成している。会計システムも使えないため、診療費の請求も延期中だ。

 診療の全面再開に向け、専門業者にデータの被害調査や復元を依頼する一方で、新たにサーバーをレンタルし、セキュリティーを高めたシステムを再構築することを決めた。費用は約2億円を見込む。会見で病院事業管理者の須藤泰史医師は「最低限のシステムを再構築しないと診療がままならない」、中園雅彦病院長は「少しでも患者さんのためにできる診療を行いたい」と話した。

 電子カルテシステムに入るためのIDとパスワードがインターネット上に漏洩(ろうえい)していたことも判明。病院は、ネット回線経由でシステムに侵入された可能性が高いとみている。

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