23年夏、南阿蘇鉄道→豊肥線乗り入れへ JR九州が方針、設計着手

伊藤秀樹
[PR]

 JR九州は25日、熊本地震で被災した第三セクター南阿蘇鉄道(南鉄、本社・熊本県高森町)や沿線自治体が要望していた南鉄のJR豊肥線への直通乗り入れについて、実現をめざす方針を明らかにした。先月、一部施設の設計に着手したという。23年夏頃予定の南鉄全線再開に合わせ、乗り入れ開始をめざす。

 JRや南鉄によると、立野駅(南阿蘇村)で南鉄の線路を豊肥線に接続し、南鉄の列車をJR肥後大津駅大津町)まで乗り入れる。事業費は4億2千万円。JRによると、先月、立野駅の構内改良工事の設計に着手したという。乗り入れ開始時期は南鉄の全線運行再開と同時を想定しているが、今後、両者で協議して正式決定する。

 南鉄や沿線自治体でつくる南阿蘇鉄道再生協議会は昨年12月、直通乗り入れ実現をJRへ要望。JRは前向きに検討すると応じていた。

 JR九州広報部の担当者は朝日新聞の取材に対し、「(南鉄と)直通乗り入れ運転に必要な条件を整理した。今後、必要な整備や設備の改良などを経て、会社間協定を締結する」と述べた。南鉄の社長を務める草村大成・高森町長は「被災した鉄道会社が復旧と同時に新たな施策として乗り入れを果たす前例はあまりないと思う。県が掲げる創造的復興の後世に残るシンボルになる」と話した。(伊藤秀樹)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら