自民、対中姿勢軟化に警戒感 林外相への訪中要請に反発も
菅原普 松山尚幹
政府の対中外交について、自民党内に警戒感がくすぶっている。日本周辺での中国軍の動きが活発化するなかで、政権が関係改善を急ごうとしていると見ているからだ。中国が絡む課題も山積みで、政府と自民党の間の綱引きが起こる可能性もある。
「この時期の外相の訪中は、慎重の上にも慎重を期していただきたい。完璧に間違ったメッセージを海外に出すことに他ならない」
党外交部会などが開いた24日の会合で、佐藤正久部会長が政府側にこう苦言を呈した。複数の出席議員から「そうだ」と同調する声が上がった。
やり玉に挙がったのは、林芳正外相の訪中構想だった。21日に出演したテレビ番組で、林氏が18日に行った中国の王毅(ワンイー)外相との電話協議で自身への訪中要請があったと明かしたからだ。林氏は「現段階でまだ何も決まっていない」と留保を付けたが、公式発表にはなかった内容をあえて言及したことに、実際に中国に行こうとしているのでは、との疑心暗鬼を生んだ。
岸田氏と林氏が所属する「宏…