「文通費」の日割り支給、臨時国会で法改正協議へ 各党で考えに相違

榊原一生 北見英城
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 自民党立憲民主党は18日、国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文通費)について、12月召集の臨時国会で「日割り」支給を可能にする改正歳費法の成立をめざすことで一致した。ただ、立憲は支給された10月分を国庫に返納するための法改正も主張。日本維新の会は、使った経費について領収書の添付を求めており、与野党の協議が難航する可能性もある。

 衆参の国会議員には、給与にあたる歳費とは別に1人月額100万円の文通費が支給される。領収書の提出は不要で「第2の給与」とも呼ばれる。非課税で、日割り支給の仕組みもない。このため、10月31日投開票の衆院選で当選したばかりの新人や元職にも10月分として満額支給され、見直しの声が高まっていた。

 自民の高木毅国会対策委員長はこの日、国会内で立憲の安住淳国対委員長と会談。高木氏は会談後、文通費の日割り支給について「次の臨時国会で(法改正の)成案を得る方向でやっていきましょうということで話をした」と記者団に説明した。衆院議院運営委員会で検討を進める。

 文通費をめぐっては、自民、公明両党が臨時国会で歳費と同様に日割り支給に変更する法改正をめざす考えですでに一致。これに対し、立憲は日割り支給に加え、新人らに支給された10月分を国庫に返納できるようにする法整備もめざす。国庫への返納は公職選挙法が規定する寄付の禁止にあたるため、立憲はこの規定の適用を除外する特例を設ける法改正を想定している。

 この日の会談で、安住氏は国庫返納も提案。会談後、記者団に自民側から国庫返納について「ハードルもかなりある」と指摘を受けたとしたうえで、「議運の場で早急に法的整理をして、可能であれば改正する。(法的)整合性がとれないとなれば国民が納得できるよう各党で対応する」と語った。

 一方、高木氏は同日、維新の遠藤敬国対委員長とも会談した。遠藤氏は「そもそも『第2の給与』と言われている所にメスを入れるべきだ」とし、文通費のあり方そのものを議運で協議する必要性を主張。必要な経費は領収書を添付して精算し、余った文通費は返納する手法も提案した。遠藤氏は会談後、記者団に、領収書の添付について高木氏から「非常に難しい課題ではある」との認識が示されたと明かし、今後の法改正の内容について「今のところは(自民と)ちょっと乖離(かいり)がある」と述べた。

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