【21年九州場所4日目】「大関になる、とか言っているんだって?」

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竹園隆浩
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 2日続けて関脇以上が全員勝った。横綱照ノ富士は4連勝。両大関は、正代が若隆景に快勝し、貴景勝大栄翔との押し合いを制して連勝を4に伸ばした。関脇御嶽海や平幕の北勝富士、阿炎佐田の海も4連勝。高安は志摩ノ海との3分超の相撲で粘り勝ち。

本場所の一日を、ひとまとめ! 注目の取組・力士を特集する「東西トーザイ」、八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」 、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)正代に聞かせたい 部屋の開祖・双葉山が残した名言

 大関に気になる発言があった。しぶとい若隆景を問題にしなかった正代だ。

 勝負は体当たりで出足を止め、右も差し、圧力で押し出した。「今日みたいな相撲が多くなれば」とご機嫌だったが、「立ち合いが強くなったか」との問いに「本場所の立ち合い、間合いの取り方ができている。これがベストなのか、(他に)いいポジションがあるのかも」と答えた。

 謙遜かも知れない。しかし、裏を返せば、やるべきことが稽古場で確認できておらず、本場所で感触を確かめていることになる。けがとか休場続きならまだしも、「やることをやるだけ」と話す一人横綱との準備の差を感じた。

 昨年秋場所で初優勝して大関を射止めた正代。コロナ禍前は当時まだ現役だった鶴竜白鵬の両横綱がよく出稽古にきて、いつもたっぷり相手をさせられた。結果、自然と地力が上がっていった。

 だが、その貯金は使い果たした感がある。先場所前の合同稽古では、土俵に入る前の緊張感の無さとぶつかり稽古で安易に受ける姿に、別の一門の親方から叱責(しっせき)がとんだという。素直な性格の正代は反省の弁を口にしたが、その言葉は糧になっているだろうか。

 「稽古場は本場所のように、本場所は稽古場のように」との名言は、正代が所属する時津風部屋をおこした元横綱双葉山が残した。あれだけの腰高で勝てるのは並大抵ではない。素質は精進してこそ花開く。(竹園隆浩)

(理事長が見た!)上をめざすために必要なもの

 4日目の八角理事長は、2連勝で星を五分に戻した関脇明生をほめたたえた。

 「やっぱり出足ですよね。圧力をかけてから押し込めると、どういうことでもできる」

 「『大関になる』とか言って…

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