加速レバー触らない運転士、動き出す新幹線…JR東が自動運転実験
発車から加速・減速、停車まで自動で制御する「自動列車運転装置(ATO)」を使った上越新幹線の自動運転実験が17日未明、新潟市内で報道公開された。JR東日本によると、営業する新幹線を使った実験は今回が初めてで、10月末から計11日間実施された。時速200キロを超す高速鉄道の無人運転に向け、検証は続く。
終電後、静まりかえったJR新潟駅のホーム。17日午前1時50分ごろ、停車中のE7系新幹線の車内にアナウンスが響いた。「発車10秒前……。5、4、3、2、1」。すると、運転士は加速レバーに一切触れていないのに、新幹線は静かに動き出した。自動で加速していく。あっという間に時速は約100キロに達した――。
JR東によると、従来の新幹線では運転台に信号や制限速度などを表示し、それに沿って、運転士が加速やブレーキなどのレバーを操作する。自動列車制御装置(ATC)という保安装置が搭載されており、速度超過や、駅の非常停止ボタン作動時などは自動でブレーキがかかる仕組みだ。
実験は、ATCに自動運転用のATOを組み合わせた。ATOは事前に設定されたダイヤに沿ってすべて自動で制御できる。
新幹線は未明の高架線を快走し、約5キロ離れた目的地の新潟新幹線車両センターが近づくとゆっくり減速。設定された停止位置付近でぴたりと止まった。所定の停止位置の前後50センチに止まれれば「合格」だ。
実験中、運転士はレバー類には一度も触らなかった。加減速もスムーズで、自動運転だと言われなければ気付かないほどだった。
JR東は、運転試験と並行し…