山形新幹線、来春に自由席廃止 東京―山形間で最大810円値上げ

上月英興
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 JR東日本は16日、山形新幹線「つばさ」の自由席を2022年春から廃止し、全車指定席にすると発表した。特急料金も合わせて改定。普通車指定席や福島以北の在来線区間の利用者からみれば値下げになるものの、東京と山形を行き来する自由席の利用者からみれば通常期で最大810円の値上げになる。

 現在は、グリーン車を含む5両計282席が指定席で、2両計112席が自由席。自由席はすべて指定席に切り替わる。今回、料金が変わるのは、普通車指定席、自由席、グリーン車ごとに異なる特急料金だ。改定後は普通車指定席でみると、東京―山形間の特急料金(通常期)は5400円。現行の指定席より100円安く、自由席と比べたら810円高い。

 さらに、自由席の廃止に伴って、福島―新庄間の在来線区間のみの利用者向けに、空いている普通車指定席に座れる「特定特急料金」を新設する。通常期で現行の自由席と同額か最大280円の値下げになる。

 つばさの上り線のほぼ全てが、福島駅で東北新幹線「やまびこ」と連結する。例えば山形から上京する場合、福島までの特定特急券と、福島からの自由席特急券を購入し、福島駅でつばさからやまびこの自由席に移動すれば、通常期で指定席よりも530円安くすませることが出来る。下り線でも同様だ。

 山形市内で記者会見したJRの担当者は、最繁忙期に自由席を長時間待つ列ができる▽始発駅近くの乗客以外は自由席に座れない、などの課題を解消するのが狙いだと説明。「収入確保が目的ではなく、増収は見込んでいない」と話した。

 山形新幹線と同じミニ新幹線の秋田新幹線「こまち」は02年から全車指定席になっている。(上月英興)

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