山形鉄道、「スニてつ」で足元からアピール 沿線の高校生がデザイン

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石井力
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 山形県南部のローカル線・フラワー長井線を運行する「山形鉄道」(本社・長井市)がオリジナルのスニーカーを開発した。その名も「スニてつ」。デザインしたのは沿線の高校生だ。コロナ下で経営が厳しい中、足元から「地域の足」をアピールしようという試みだ。

 沿線の長井、南陽、白鷹、川西の2市2町などでつくる利用拡大協議会が「ASHI(アシ)プロジェクト2021」として企画。高校生16人が参加して4班を作り、各班ごとに異なるデザインの計4モデルを開発した。南陽市の革靴製造業「宮城興業」が協力した。

 発表会が13日、長井駅と一体化している長井市役所であり、参加した高校生たちは「多くのデザイン案からしぼるのが大変だった」「コロナが収まったら、このスニーカーを履いて出かけて欲しい」などと話した。

 自分たちが考案したモデルをそれぞれ発表した。沿線がかつて馬産地だったことに着想を得た「うま物語」▽伝統芸能の黒獅子舞をモチーフに、「歴史を歩いて文化を感じる」という「舞―MAI(マイ)」▽自然をテーマに大地の茶色と森の緑色を組み合わせた「FLOWER(フラワー)」▽1世紀を超えて現役の鉄道橋として利用されている「最上川橋梁(きょうりょう)」をイメージした「Bridge(ブリッジ)」の四つだ。

 来年2月中旬をめどに、長井駅に試着用の「スニてつ」を用意する。注文を受けて製造、販売する予定だ。外側は牛革で、内側に柔らかい豚革を使う高級仕様で、1足あたり2万円を超える見込みだ。長井駅でしか予約購入できない仕組みにすることで、より多くの人に駅を訪ねて鉄道に親しんでもらいつつ、地域住民の「マイレール意識」の向上にもつなげたいという。

 協議会の会長を務める長井市の内谷重治市長は「先人が苦労して残した山形鉄道をより充実させ、地域の活性化に結びつけられる鉄道にしていきたい」と話した。

 開発費として協議会が30万円を支出したほか、クラウドファンディング(CF)も実施。CFでは目標(60万円)を大幅に上回る126万4千円が集まった。返礼費用に加え、試着用のスニーカーとカタログの製作費、購入希望の学生向けの割引などに充てる予定だ。(石井力)

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 スニーカーで山形鉄道をアピ…

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