冬の灯油代は2万円増の可能性 原油高、厳寒の北海道民に痛手

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榧場勇太
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 北海道内で生活の足に欠かせないガソリンや、冬場の必需品・灯油の値上がりが続いている。世界経済がコロナ禍から徐々に回復しようとするなかでエネルギー需要が増え、原油価格が約7年ぶりの高水準となっているためだ。道内ではこれから本格的な冬を迎え、消費者にとっては負担増に直結する事態になっている。

 石油情報センター(東京)が10日公表した8日時点の道内の灯油の店頭価格はタンク1個分の18リットルあたり1933円で、6週連続で上昇。前年同期より530円高い。

 道内の石油製品の価格を独自に調査している北海道消費者協会によると、道内の2人世帯以上の灯油の年間購入量は平均で908リットル。暖房需要が高まる11~4月に約8割を消費するという。同協会の武野伸二専務理事は「この価格水準が続けば冬季の灯油代は昨年より約2万円あがり、家計には痛手になる」という。

 燃料代上昇の背景にあるのが、原油価格の高騰だ。世界的な原油取引の指標となる米国産WTI原油の先物価格は1バレル=80ドル前後で、約7年ぶりの高水準となっている。

 新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ世界経済は、ワクチン接種などで徐々に回復。経済が活発になる中でエネルギー需要が増えている。一方、産油国でつくるOPECプラスは感染再拡大で需要が落ち込むことを懸念し、原油の追加増産を見送った。そのため、エネルギー価格は高止まりが続いている。

 札幌市中央区のガソリンスタ…

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