無差別刺傷から命守る 県警、倉敷駅で訓練
中村建太
鉄道車両内で乗客が切りつけられるなどする事件が全国で相次いだことを受け、岡山県警は10日、JR倉敷駅で無差別刺傷を想定した訓練を行った。倉敷署や鉄道警察隊、倉敷市消防局の救急隊員ら計28人が参加した。
刃物を持った男が駅北側の広場で、通行者5人を次々に襲うという想定。現場に駆けつけた警察官らは、さすまたや警棒を手に男を取り囲み、「動くな」「ひざをつけ」と呼びかけた。観念した男が刃物を地面に捨てると、距離を詰めて手錠をかけ身柄を確保した。
その後は救急隊員と連携し、負傷者の治療の優先順位を決める「トリアージ」など救護活動にあたった。
先月31日には東京都内を走る京王線で乗客が切りつけられるなどして17人が重軽傷を負う事件が発生。訓練を統括した倉敷署の河合俊雄・地域安全交通官は、「訓練を重ねながら、広報・啓発による犯罪の抑止活動にも努める」と話した。