熱海土石流、殺人容疑でも告訴 遺族5人「未必の故意」主張
山崎琢也
26人が死亡し、1人が行方不明になった静岡県熱海市の土石流で、遺族5人が10日、起点付近にあった盛り土を造成した不動産業者の元代表と現在の土地所有者に対する殺人容疑の告訴状を熱海署に提出した。放置すれば盛り土が崩壊し、住民に危険が及ぶ可能性を認識したうえで、安全対策を講じなかった「未必の故意」があったとし、不作為の殺人罪が成立すると訴えている。
県警は今後、告訴状の内容を検討して受理するかどうか決める。元代表と土地所有者については、別の遺族1人がそれぞれ業務上過失致死と重過失致死傷の容疑で刑事告訴。県警が家宅捜索に乗り出している。
遺族ら70人は9月、元代表や土地所有者などに約32億7千万円の損害賠償を求める訴訟も起こしている。