74年ぶり帰還の長門ポッポ、道の駅でお披露目

貞松慎二郎
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 山口県下関市豊田町の道の駅「蛍街道西ノ市」で6日、74年ぶりに帰還した長門鉄道の蒸気機関車(SL)が披露された。「長門ポッポ」の愛称で親しまれたSLのために、プラットホームや屋根、説明板などが設けられ、にぎやかに一般公開初日を迎えた。

 米国のポーター社が1915年に製造したSLで、全長約6・5メートル、高さ約3メートル、重さ約18トン。私鉄の長門鉄道開業当初から47年まで走った。直近まで展示されていた京都府与謝野町の加悦(かや)SL広場が閉園されることを知った下関の有志が「長門ポッポを守る会」を結成し、道の駅中庭へ9月28日に移設した。

 この日の式典で、守る会の伊藤修二会長(78)は「二つの世界大戦をくぐり抜けて生き残った。まさに奇跡としか言いようがない。この蒸気機関車を通して、子どもたちに地域の歴史を学んでほしい」とあいさつ。「未来へ向けて出発進行!」と除幕の合図をした西市小6年の岡山結太(ゆうた)さん(11)は「時代を感じるし、かっこいい。誇りに思います」。

 長門ポッポを題材にした紙芝居の上演もあった。作者の清広哲也さん(90)は「石炭や木材を運び、町の発展に尽くしたことを知ってほしい」と話した。

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この記事を書いた人
貞松慎二郎
中津支局|主に大分県北部を担当
専門・関心分野
民俗芸能、伝統文化、風習