軽石が埋め尽くした港に潜った 光届かず真っ暗、口の隙間から小石
【動画】軽石でふさがれた港に潜ってみた=恵原弘太郎、諫山卓弥撮影
小笠原諸島の海底火山・福徳岡ノ場の8月の噴火で出た大量の軽石が、奄美大島や沖縄本島などに漂着している。
沖縄本島北部の太平洋に面した国頭村(くにがみそん)の安田(あだ)漁港では10月中旬ごろから漂着し、港内を埋め尽くして漁船が出漁できなくなっている。
漂着した軽石の大きさは数ミリから数センチ。港が干上がったかのように軽石が海面を覆う。2日、港に潜ると、太陽の光が届かない海中は真っ暗で、ライトで照らすと、頭上は壁のようにびっしりと灰色の軽石がふさいでいる。手でかき回すと抵抗は少なく、シャリシャリ音をたてて海中を漂った。
軽石が口に入らないよう潜水の呼吸器をストッキングで覆ったが、さらに小さな軽石が隙間から口に入ってくる。吐いた息が水面に上がると穴ができ、光が差し込んできた。
安田漁港では、3日から本格的に重機を使った撤去作業が始まるという。
今後の軽石の動きを予測した神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構によると、日本列島の太平洋側を流れる黒潮に乗って九州や関東沿岸部にも近づくという。