第11回給食の時間がつらい子も 京大准教授が期待する「ある空気感」の変化

有料記事その先に見えたもの

聞き手・山本奈朱香

 中学校の時、給食はありましたか? 給食を提供するか否かといった権限は自治体に委ねられており、各地で対応はバラバラです。子どもの貧困が深刻化するいま、給食の時間につらい思いをしている子も多そうです。食の思想史が専門で、「給食の歴史」(2018年、岩波新書)の著書がある京都大学准教授の藤原辰史さんは、衆院選を通して、貧困対策をめぐる、ある「空気感」の変化に注目していると言います。話を聞きました。

貧困対策であることを隠す対策

 「給食の歴史」で給食史をとらえる第一の視座として挙げたのは「子どもの貧困対策」です。給食って、貧困対策だけど、貧困対策だということを隠す政策なんです。家庭では満足に栄養が取れない子も、学校ではみんなで給食を食べられる。高度経済成長期も含めて、非常に多くの子どもたちを陰で救ってきたと思います。

 ところが、いま、子どもの7人に1人が貧困状態にあります。

 1954年にできた学校給食…

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2021年10月29日18時15分 投稿
    【視点】

    「子どもの7人に1人が貧困状態にある」 この現実にどれだけの人が実感を持っているでしょうか。 かくいう私も最近まで知りませんでした。先進国であるはずの日本で、十分に食事が取れない子どもがたくさんいるなんて、思いもよらなかった。子ども

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