自動車生産にデジタル化の影 半導体不足、11月も減産の見通し

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神山純一 伊藤弘毅 鈴木康朗
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 大手自動車8社が28日に発表した4~9月の世界生産台数は、コロナ禍前の2019年の同期間と比べて21%減の1086万7千台となった。半導体などの部品不足による減産の影響が出ている。11月も減産は続きそうで、国内経済の主軸の自動車産業は厳しい状況だ。

 4~9月の世界生産は、コロナ禍で生産停止が相次いだ前年よりは11%増えたが、本格的に回復していない。東南アジアからの部品納入が停滞した9月の世界生産は155万9千台で前年同月より36%減だった。

 東南アジアの部品メーカーの供給が改善する兆しもあるが、半導体の不足はなお深刻だ。自動車への需要はあるのに、生産を抑えざるを得ないという。

 トヨタ自動車の計画比の減産幅は9月は35万台で、10月は33万台の見込み。11月は10万~15万台の減産を見込む。それでも生産は過去最高水準の85万~90万台になる予定だ。ホンダの国内生産は8~9月は計画比6割減だったが、11月上旬は1割減になる。幹部は今後の見通しについて「様々な部品が足りない状況が続く。影響は来年前半ぐらいまで長引くのではないか」と話す。

 デジタル化の進展で、あらゆるものに半導体が使われるようになり、需給が世界的にひっぱくしている。工場建設には時間がかかるため、不足の本格的な解消は見通せない。

 世界的な半導体メーカーの「…

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