IT業界女性、少なければ「モテモテ」? 意識変えるには

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栗林史子
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 IT業界や理工学分野のジェンダーギャップは著しい。日本の工学系の大学で学ぶ女性は15%、「女性は理工系は苦手」という偏見も根強い。この状況を改善したいと活動する団体がある。女子中高生向けプログラミング教育を手がける「Waffle(ワッフル)」だ。若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」の三宅瑞紀さん(24)と取材した。

 ワッフルでは女子中高生にプログラミングを教えるほか、大学生や女性エンジニアらとふれあう機会も設けている。話を聞かせてくれたのは、ボランティア講師の宮本さくらさん(24)。10月から風力発電会社でエンジニアとして働いてもいる。

 宮本さんはドイツなど主にヨーロッパで育った。最初にプログラミングに触れたのは、ドイツの高校で受けた授業だった。

 ある日、科学の教師が突然「今週はプログラミングをやるよ」と言った。プログラミング言語「Python」を使いゲームを作った。それまでコンピューターに興味はなく、どちらかというと苦手だった。

 やってみると、自分が作ったものが思い通りに動く達成感にとりつかれた。「最初は『動いたー!』って叫んだぐらい」と笑う。放課後に有志で集まり、教師に教わりながらさらに技術を磨いた。

 帰国し大学に進学。興味のあった環境問題に取り組もうと国際環境学を選び、コンピューターを学ぶ情報学の授業も選択した。

 すると、周囲との壁に気がついた。60人中女性は2人だけ。「圧倒的にマイノリティー(少数派)。同級生や教授に話しかけたくても、気後れしてできなかった」。日本で初めて学ぶ疎外感もあり、一人で勉強に励んだ。「自信がなくて、自分の内にこもっていた」と振り返る。

 取材していた三宅さんが共感した。「女性が少なくとも3割いないと、圧倒されちゃって何も言えないってことがありますよね」

 宮本さんに火をつけた出来事がある。大学2年生の時に参加した、あるIT関連の勉強会。参加者のうち女性は2割だけ。その場で企画者が言った。「女性はモテモテですね」

 勉強しに来ているのに、「女…

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