第11回思い出の森ができあがる頃 同性婚を望む2人が描く未来
三重県伊賀市の田園地帯。ある古民家の裏の畑に、一本の木が植えられている。加納克典さん(42)が、嶋田全宏さん(45)の誕生日に贈った木だ。2人は、互いを生涯のパートナーとして生活を共にする同性カップル。古民家を終(つい)のすみかに、ウサギとオカメインコと仲むつまじく暮らしている。
10月31日の衆院選投票日、人々は何を託そうとしているのでしょうか。私たちの現在地をお伝えします。
2013年に知り合い、ほどなく交際が始まった。互いにひかれる部分はいろいろあったが、加納さんは「明るくて、相性の良さを感じたんです」と振り返る。やがて、同居する生活が始まった。
16年春、かねて田舎暮らしに憧れていた嶋田さんの発案で、移住を計画。様々な場所を探す中、自治体では全国3番目となる同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度をつくった伊賀市に移住することを決めた。
それでも、移住直前まで不安で仕方なかった。周囲は男性2人暮らしの家をどう見るだろうか、うまく溶け込めるだろうか。
しかし、それは杞憂(きゆう…
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