第8回メンタル不調の公務員急増、政治改革の完成形「強い官邸」の末に

有料記事長期政権を問い直す

三輪さち子 南彰
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 菅義偉首相(当時)と野党4党の党首が党首討論新型コロナウイルス対策を議論した6月9日。人事院が国会と内閣に2020年度の年次報告書を提出した。その中には公務員の異変を示すデータが盛り込まれている。

 「精神及び行動の障害による長期病休者は4186人(全職員の1・51%)」

 19年度にメンタルヘルスの不調で1カ月以上休んでいる国家公務員の状況だ。6年間で0・25ポイント上昇し、全産業平均(0・4%、厚生労働省の労働安全衛生調査)の約4倍だ。

 内閣人事局などによると、19年度の20代の中央省庁総合職の自己都合退職者も6年前の4倍となっている。

 元厚労官僚で、霞が関の官僚の働き方を描いた「ブラック霞が関」の著者・千正康裕氏は、これらの指標に着目する。

歴代最長を記録した安倍政権と、その路線を継承した菅政権の計9年はどのようなものだったのか。自民党総裁選、衆議院選挙が迫る中で、考えます。

 千正氏が最近の例として挙げたのが、「アベノマスク」と言われた布マスクの全戸配布だ。官邸から号令がかかったが、担当の厚労省に当初増員はなく、現場は混乱していたと指摘する。

 「選挙がある政治家は短期的…

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