米価下落、苦しむ農家 政治に望むものとは

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高橋俊成

 10月中旬、新潟県新発田市にある倉庫。1トンずつ袋に詰められた新米が出荷を待っている。「味は落とせないし、捨て売りのようなことはできん」。生産した農業法人代表の男性(61)はつぶやく。そして続けた。「このままではコメ作りを続ける人がいなくなってしまう」

 新型コロナ禍による外食需要の低下などでコメが余り、全国的に米価が下落している。農林水産省によると、家庭・業務用などの主食用米の需要は昨年比で約10万トン減。全国のコメの民間在庫量(6月末時点)は219万トン、2019年に比べ30万トン増えた。

 農協がコメ集荷時に農家に支払う仮渡し金も下落している。価格は非公表だが、関係者によると、21年産の県産一般コシヒカリの仮渡し金は60キロあたり1万2200円で、前年比1800円下落。19年までの上昇傾向から一転、2年連続で下がった。

 この男性は今年は約80ヘク…

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