足湯付き新幹線「とれいゆつばさ」来年3月に運行終了 車両が老朽化

上月英興
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 全国で初めての足湯付き新幹線として山形新幹線を走る「とれいゆつばさ」が、2022年3月で運行を終えることが決まった。JR東日本仙台支社が19日に発表した。車両が老朽化したためという。

 とれいゆつばさは、車窓を眺めながらくつろげる足湯を設置し、お座敷やバーカウンターでは山形の酒やワインが楽しめるのが特徴だ。

 外観デザインを手がけたのは、山形市出身の工業デザイナー奥山清行氏。車両は、山形県中央部にある月山のグリーンと蔵王の白を組み合わせた配色にし、先頭は最上川の鮮やかなブルーで包んだ。とれいゆは「トレイン(列車)」とフランス語の「ソレイユ(太陽)」を組み合わせた造語だ。

 02年から運行していた秋田新幹線「こまち」の列車6両を改造し、14年7月に山形新幹線のリゾート列車としてデビューした。土日や祝日を中心に、新庄駅(山形県新庄市)―福島駅(福島市)間を往復するなどし、7年間で延べ約6万5千人が利用した。

 JR東日本は11月、とれいゆつばさに乗れる鉄道旅行を複数企画している。山形新幹線の開通前に秋田―上野間を運行していた「特急つばさ」の60周年を記念した企画などだ。このほか、とれいゆつばさのラストランについては、今後日程を検討するという。

 仙台支社の担当者は「山形県の魅力を伝える新幹線をこれまで愛顧頂き、感謝申し上げます」としつつ、「今後も地域と共に沿線の活性化、観光素材の掘り起こしに取り組みたい」と話している。

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