インド13億のマイナンバー コロナ禍で貧困層を救ったデジタル技術
新型コロナウイルスが猛威をふるったインドで、ワクチン接種や貧困層への給付金の配布にデジタル技術が活用されている。膨大な情報管理を可能にする「インド版マイナンバー」だ。
「かつては遠くの役所まで出向いても、給付金をもらうための手続きが大変だった。直接、銀行口座に送金してもらえるのは、とても助かった」。東部コルカタの主婦ルマ・モンダルさん(57)は、コロナ禍で政府が行った現金給付についてこう語った。
以前は給付を受け取るために必要書類を用意して役所に行った。担当者がいなかったり、賄賂を要求されたり。大勢の請求者が群がり、あきらめて帰ってきたこともある。
今回、政府は約4億2千万人の貧しい人らに対し、計6900億ルピー(約9900億円)を給付。市場で働く夫が職を失ったモンダルさんの口座にも、3回に分けて計1500ルピー(約2200円)が振り込まれ、日用品の購入に充てることができたという。
ニューデリーの病院でコロナのワクチンを接種したシャシ・グプタさん(63)は、スマホにインド政府の提供するアプリをインストールし、そこから申請した。「予約はスマホで5分もかからなかった。昨日予約し、待ち時間はほとんどなかった」。日本のように自治体から送られてくる接種券は必要ない。
接種の日時や場所をスマホで選んで予約し、接種後には証明書もスマホに届く。各病院のワクチンの在庫状況もわかる。インドでは9億回分以上の接種が終わった。
「世界最大の生体認証IDプラットフォーム」
こうしたデジタル化を支えているのが、「アーダール」と呼ばれるインド版マイナンバーだ。12桁の個人識別番号で、アーダールはヒンディー語で「基礎」を意味する。
ワクチン接種では、希望者が予約時に専用アプリにアーダールの番号を登録し、本人確認する。現金給付では、アーダールとひもづいている銀行口座に政府が送金した。
アーダールは、読み書きので…
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