米メルク、コロナ飲み薬の緊急使用許可を申請 認可なら世界初か
ニューヨーク=真海喬生
米製薬大手メルクは11日、新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」について、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請したと発表した。メルクによると、認められればコロナ向けの飲み薬としては初めてという。対象は、重症化や入院のリスクがある軽症から中等症の成人。米国のほか、日本や欧州などでも臨床試験(治験)を行っており、今後、数カ月以内に各国の規制当局に申請する方針という。
モルヌピラビルは、メルクが米ベンチャー「リッジバック・バイオセラピューティクス」と共同開発。すでに生産を始め、年内に1千万人分をつくれるという。米国政府とは170万人分の供給契約を結んだ。日本政府も調達する方向で交渉している。
メルクによると、治験の中間結果では、偽薬を使った場合と比べて軽症や中等症の患者が入院するリスクを半減させた。軽症者向けの治療薬は点滴薬があるが、自宅で使える飲み薬への期待は大きい。飲み薬は米ファイザーやスイスのロシュ、塩野義製薬なども開発している。