コロナ死者、50代以下の8割は男性 誰もが直面するリスクとは
東京都内で新型コロナウイルスに感染した死者を分析すると50代以下では男性が8割を占める。若年から中年の働き盛りの世代が重症化する要因の一つが、肥満や糖尿病とされ、現役世代の男性がなりやすい傾向にある。専門家は過剰労働による食生活の乱れやストレスが背景にあると指摘し、「誰もが直面しうる問題」と注意を呼びかける。
「若い人でECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)や人工呼吸器をつける患者は、圧倒的に男性が多い」
そう話すのは、コロナの重症病床22床、中等症病床59床を有する昭和大学病院(東京都品川区)の相良博典病院長だ。同病院では昨年2月からコロナ患者628人が入院。第5波の7~9月には計195人を受け入れ、最も多い時期で50床ほどが埋まったという。
第5波で目立ったのは40~50代男性の重症化だ。糖尿病や高血圧を抱えていたり、体格指数(BMI)が肥満を示す25を大きく超えていたりする患者も少なくなかったという。相良院長は「初期に症状が軽くても、基礎疾患など重症化のリスクを見極めることが必要」と話す。
肥満と糖尿病の20代男性に酸素投与
訪問診療でコロナ患者を診てきた新宿ヒロクリニック(新宿区)の英(はなぶさ)裕雄院長も「肥満の人は明らかに悪化する傾向があった」と話す。第5波のピークだった8月は患者約350人を診療。常時70人前後の患者を抱え、50代以下が9割を占めた。女性よりも男性の方が肥満の患者が多く、肥満と糖尿病を抱えた20代男性が酸素投与が必要になったケースもあった。健康診断を受けたことがなく、糖尿病などの疾患に気が付いていない患者も少なくないという。
都内の感染状況をみても、男…