「3バン」備える世襲議員、岸田新首相も3世 いまなお目立つ姿

有料記事岸田政権発足へ

永田大

 第100代の首相に就任する岸田文雄氏は祖父、父も衆院議員を務めた「3世議員」だ。「たたき上げ」を売りに首相となった菅義偉氏から様変わりするが、この20年で自民党から出た首相6人のうち世襲議員でないのは菅氏のみ。1日に決まった党役員にも、世襲議員が居並ぶ。

 世襲議員は、親から継いだ地盤(選挙区)、看板(知名度)、カバン(資金)の「3バン」をもとから備えており、選挙に強いとされる。特に親が政府や党で枢要なポストに就くなど有力政治家であった場合、当選回数が浅いころから「将来のリーダー」と目されることが多い。

 岸田氏もそんな一人だった。岸田氏の父・文武氏が宮沢喜一元首相と遠縁にあたり、文雄氏は宮沢氏が率いた「宏池会(こうちかい)」(現・岸田派)のメンバーとして早くから「プリンス」と称されてきた。派閥の創始者・池田勇人元首相の地元で、同派が伝統的に強い力を持つ広島県の選出でもある。

 最近の自民党の首相では、2001年から5年間政権を担った小泉純一郎氏にはじまり、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各氏が父親と同じ選挙区を引き継いでいる。さらに安倍、麻生両氏の祖父は、首相を務めた岸信介氏、吉田茂氏にあたる。

いまもなお目立つ世襲議員の姿

 福田康夫氏は、父・赳夫氏と…

この記事は有料記事です。残り428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません