米司法省によって起訴されていた、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)が24日、帰国の途に就いた。司法省と孟氏の双方が歩み寄り、米中間の懸案が一つ解消された形だ。ただ、華為をめぐる両国の対立は、すぐには収まりそうにない。
「家に戻るまでの道は曲がりくねっていたけれど、この世で一番暖かい帰り道だ」
国営の中国中央テレビは25日、孟氏が帰国する政府チャーター便の機内で記したとする文章を公開した。孟氏は「祖国や党、政府に感謝している。中国の紅が心に信念の火をともし、私の人生の最も暗い時を照らしてくれた」などと中国共産党への感謝もつづった。
孟氏はイランにある華為の関連会社をめぐって、金融機関に虚偽の説明をしたなどとして起訴された。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、司法取引は昨年末にも模索されたが、孟氏が「何も悪いことはしていない」と主張し、まとまらなかった。その後、バイデン政権になって司法省高官らも交代。最近になって、「家族と過ごしたい」という孟氏の意向も踏まえて再検討し、合意に至ったという。
米司法省は取引成立後の発表で「孟氏や華為の従業員が、イランでの活動について金融機関や米政府をだまそうとしたという、起訴内容の根幹が確認された」と主張。一方、孟氏の弁護人も「これで彼女は自由に、家族の元に帰ることができる」と歓迎する声明を発表した。
孟氏をめぐっては、拘束した…
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