205系、どうしてる? 山手線で活躍、今もインドネシアで現役

井上恵一朗
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 【東京】かつて、山手線車両として活躍した「205系」が、日本で引退してから輸出されたインドネシアでどのように運行しているかを紹介するオンラインイベントが23日開かれた。JR東日本の企画で、鉄道好きの小学生ら約70人が参加し、南国で今も走り続ける懐かしの車両を楽しんだ。

 205系は、1985~2005年に山手線で使われた。武蔵野線や埼京線などに活躍の場を移した後、「第三の人生」として今、インドネシアで走っている。交通渋滞が深刻な同国から、「使わない車両を譲ってほしい」という頼みを受け、日本から多くの中古車両が海を渡った。205系もこれまでに812両が船で運ばれたという。

 イベントでは最初にそんな説明をして、現地の車両基地と中継でつないだ。JR東からインドネシア通勤鉄道に出向中の広橋武志さんが、車両にカメラを向ける。おなじみの緑のラインでなく、赤や黄色に変更されているが、車両の下部に「千 ケヨ」などと日本語のマークも。「京葉線や武蔵野線で走っていた電車ですね」と解説した。中に入ると、乗降用の扉に「ドリアン禁止」を示すマークなどが貼ってある。現地で人気の果物だが、においが強烈なため、持ち込めないルールがあるという。

 同国でも新型コロナウイルスの感染が深刻で、乗客数を抑えるために電車を使える職種を限定。車内で客同士の距離をとるよう床に立ち位置を示す赤い線が付されている様子なども伝えられた。

 参加者から、特急電車や発車メロディーはあるのかといった、両国の違いを聞く質問が数多く出て、「こちらにはないです」などと答えていた。最後に呼びかけた。「いつかインドネシアに、205系に会いに行ってみてください」

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この記事を書いた人
井上恵一朗
デジタル企画報道部次長
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街ダネ、主に事件を題材にしたルポ