貴船口駅近くで土砂災害 叡山電鉄鞍馬線、1年2カ月後の再開

吉村駿
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 昨年7月の豪雨による土砂崩れで一部区間の運休が続いていた京都市左京区叡山電鉄鞍馬線市原―鞍馬駅間が18日、約1年2カ月ぶりに全線復旧した。鞍馬駅で記念式典があり、地域住民や鉄道ファンらが運転再開を喜んだ。

 同区間では昨年7月8日早朝、貴船口駅近くの山の急斜面が崩れ、線路上には約330トンの倒木と、約1500立方メートルの土砂が流れ込んだ。人的被害や車両への被害は無かったが、山あいからの土砂撤去や崩壊した急斜面の地質調査に時間がかかったという。先月27日に、復旧工事が完了。31日には試運転を始めていた。

 式典で、同社の豊田秀明取締役社長が「地域住民や京都府など、多くの方々からご支援をいただき、運転を再開しました」と述べると、集まった住民らから大きな拍手が送られた。

 その後、出町柳行きの展望列車「きらら」が「出発進行」の合図で、鞍馬駅を出発。線路沿いやホームに集まった家族連れらが、電車に手を振り見送った。

 式典に参加した京都市左京区の公務員、三嶋孝佳さん(46)は、通勤で叡山電車を使用しているといい、「これまでは行き先標が市原だったが、今日は鞍馬に戻っていた。『やっと復旧したんだ』と実感が湧いているところです」と話した。

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この記事を書いた人
吉村駿
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故、スポーツ、生き物