外出自粛せぬ人に抑うつ、不安障害傾向か 荻上チキさんら調査

市野塊
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 評論家の荻上チキさんらがコロナ禍でも外出する人たちを調査したところ、ストレスなどで不安障害などの傾向があり、自粛しにくい事情がある可能性があったと発表した。荻上さんは「(感染対策を強いる)ムチだけではメンタルヘルスが悪化する。協力と健康を促すヘルシーなアメとなる政策が求められる」と訴えている。

 荻上さんがつくる一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」が調べた。6月にインターネットを通じてアンケートした1千人の回答を分析すると、コロナ禍で外食や遊びをほとんどしなかった「自粛群」は62%、同居家族とだけ外食や遊びにいった「家族群」は13%、5人以上で外食や遊びにいった「活動群」は2%だった。

 活動群の平均年齢は35・9歳と比較的若く、非正規雇用の人が多かった。さらに中度以上の抑うつや不安障害を抱えている傾向があったという。一方、自粛群は60代以上が約4割で、定年退職者などが多かった。家族群はコロナ禍でも生活の満足度が他の群よりも高かった。

 16日に厚生労働省で会見した荻上さんは、例えば家族がいる人は自粛しやすい一方、若くて生活が不安定な人は自粛が難しくなるなど、人によって自粛のしやすさが異なる可能性を指摘。「『ステイホーム格差』があり、メンタルヘルスが無視できない」と訴えた。こういった人たちに、家でも満足に過ごせるよう、家での遊びやリラックスにつながるものを貸し出すなどの支援も考えられると話した。(市野塊)…

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