諏訪の祭りをジオラマに 全国コンテストで入賞

依光隆明
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 コロナ禍で2年連続中止となった長野県諏訪市の祭りを市内の鉄道ファンがジオラマにし、全国コンテストで入賞した。レベルの高い作品ばかりだったので、「信じられない思いとうれしい思いでいっぱいです」。市民になじみの祭りだけに、公共的な場所に展示することを考えている。

 同市の会社員、向山尚樹さん(46)。小学生のころから鉄道をあしらったジオラマを数多く作ってきた。今回の作品はJR上諏訪駅の近くで繰り広げられる「諏訪よいてこ」祭り。4月から制作し、8月18日に完成。翌19日、東京・新宿のジオラマコンテスト会場に持ち込んだ。

 「よいてこ」は毎年7月末に繰り広げられる市民の祭り。夜、3時間にわたって上諏訪駅西口前を音楽に合わせて踊り歩く。ジオラマの題材に選んだ理由は、すぐ近くを中央線が走っていること、そしてなにより2年連続で中止になったこと。向山さんは、「自分も息子も踊った祭り。来年には再開できるという願いを込めました」。

 規格は幅30・8センチ、奥行き35・5センチ。その小さな世界に踊り子や見学者ら150人以上の人形や露店、中央線を走る特急あずさを配した。苦労したのは「小さなちょうちんを光らせることだった」とか。

 コンテストの参加数は約80点。どの作品もレベルが高く、向山さんは「まさか自分は賞に入らないだろうと」思っていた。会場内でのんびり写真を撮っていたら、大画面に自身の作品と「諏訪」の文字。表彰台から下りたときには震えが止まらなかった。「すごい人たちの中に入っちゃったんだ、と思いまして」

 受賞したのは最優秀に続く協賛企業賞。現在、展示する場所を探している。

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