福島・宮城の野生マツタケ、出荷制限を解除 非破壊式検査を導入

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荒海謙一 関根慎一
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 政府は10日、原発事故を受けて福島県内55市町村と宮城県気仙沼市に出していた野生マツタケの出荷制限を解除した。検体を切り刻まない非破壊式検査ですべてのマツタケの放射線量を調べ、食品の安全基準(1キロあたり100ベクレル)を下回ることが条件だ。県の管理下で出荷が可能となるが、機器不足などもあって段階的な再開になりそうだ。

 厚生労働省によると、非破壊式検査を条件とした出荷制限の解除は初。従来はモニタリング検査をへて市町村単位で品目ごとに解除してきたが、自民党復興加速化本部が3月の政府への提言で「過度に厳しい条件」と指摘。切り刻まないため検体も出荷できる非破壊式検査について、「早期に実用化と生産現場への導入を促進」と求めていた。

 出荷制限の解除が決まったのは福島県内で制限がなかった南会津町、金山町、檜枝岐村、湯川村を除く55市町村と、宮城県気仙沼市の2県56市町村。福島以外の9県56市町村での出荷制限は続く。

 両県は制限解除に際し、出荷・検査方針を策定した。福島県は業者に割り振った登録番号や、マツタケの採取場所を記載した管理台帳を作成。検査で基準値以下であることを確認できた場合にラベルを添付して安全性を証明し、出荷や販売を認める。

 ただ、「秋の味覚の王様」の復活には課題もある。

 福島県では現在、マツタケの…

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