新型コロナウイルスの「第5波」で子どもにも感染が広がる中、保護者は子どもを学校に行かせるかどうかの判断に頭を悩ませている。登校を見合わせて自宅で学習させる家庭もあれば、登校を選ばざるをえない家庭も。どちらを選んでも不安は消えない。

母は妊娠9カ月 怖がる小2「学校で感染したら…」

 「学校で感染して、お母さんと、おなかの赤ちゃんにもうつったらと思うと怖いの」。8月末、大阪市内の母親(34)は、始業式を翌日に控えた市立小2年の長女(7)に、そう言われた。

 現在、妊娠9カ月。夫と義父母、長女と次女(5)と同居し、みんなで第3子の誕生を心待ちにしている。学校が好きで、授業でよく質問をする長女は、1学期は楽しそうに登校した。だが、コロナ感染した千葉県の妊婦が、8月に自宅出産して新生児が亡くなったニュースや、近隣の小学校が臨時休校になっているのを見て、不安を募らせていったという。

 自分自身も1回目のワクチン接種を終えたばかり。府内の病床も逼迫(ひっぱく)する中で、「感染したら、病院が見つからないのではないか」という不安があった。夫と高齢の義父母は2回のワクチン接種を終えたが、それでも感染は気がかりだ。夏休みの宿題を出すために始業式だけ登校させ、その後はしばらく「自主休校」することにした。

 休校中は学校から借りたパソコンで学習。学校側は、国語と算数の授業を動画配信してくれるなど、すぐに対応してくれた。ただ、通信回線の容量不足で映像が途切れることが多い。体育ではダンスを覚え始めたというが、動画配信はない。「理解に差が出ていないか。自分が学校に行く自由を奪っているのではないかと、胸が苦しくなった」

 夫や長女と相談し、6日から登校を再開することにした。「出口が見えず、いつまで家にいるべきなのか、答えがない。この判断が正解なのかは分からないし、不安は変わりません」

登校か自主休校か――。家族はそれぞれの事情を抱え、悩んでいます。 離婚を経て1人で子育てする女性には、自主休校を選択できない理由がありました。

子2人、パート勤務の一人親「仕事休めない」

 「はよご飯食べなさい、学校遅…

この記事は有料記事です。残り1150文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り1150文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り1150文字有料会員になると続きをお読みいただけます。