衆院選の「前前哨戦」 北海道士別市長選で自民系新顔が制す

本田大次郎

 北海道士別市長選が12日投開票され、前市議の渡辺英次氏(48)=無所属新顔=が、前市議長の松ケ平哲幸氏(61)=同=を破り、初当選した。

 渡辺氏は新党大地と自民党士別支部の推薦を、松ケ平氏は立憲民主党士別ブロックの推薦を受けており、事実上自民系が制した形となった。

 士別市は衆院北海道6区にあり、同区選出で今期で引退する立憲の佐々木隆博氏の地元。市長を3期務めた現職の牧野勇司氏も立憲系。今月19日に告示される6区内の旭川市長選も立憲系対自民系の構図となっている。このため自民は、士別市長選を次期衆院選の「前前哨戦」と位置づけ、6区の立候補予定者が渡辺氏陣営の応援に入るなど、立憲の牙城(がじょう)の切り崩しに総力を挙げてきた。

 一方で立憲は、佐々木衆院議員や牧野市長の引退による支持者離れを食い止めようと躍起だった。

 今回の市長選の争点は、市が今年度から取り組む財政健全化実行計画への対応などだった。渡辺氏は「若者や子どもが夢を持って暮らせるまちづくりを」と訴え、地域通貨を導入するなどして経済の循環を目指すなどと主張。財政健全化実行計画については「見直しも視野に検証したい」としていた。

 松ケ平氏は「財政健全化は、計画をその都度検証しながらやり抜く」と訴えたほか、市議の定数削減で確保する財源を使い、高校生の医療費無料化実現などを公約に掲げていた。(本田大次郎)…

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